大和川(大阪編)
(夏目茶屋の渡しの吊り橋とこいのぼり)
吊り橋 2000.5 こいのぼり 1999.4.27
全長30m、幅1mほどの吊り橋。歩けば当然揺れる。江戸時代には、交通の要衝だったこの付近に茶屋と渡しがあったそうだ。
その少し下流では、「子供の日」に合わせて吊るされたこいのぼりが川面の上をスイスイと泳いでいる。
(石川との合流地)
柏原市役所前 1998.6.7 中甚兵衛像 アユの放流 2004.4.11
柏原市 1997.10.13 柏原市堰下流 1997.4.26
石川と合流している柏原市役所前の河川敷は市民の憩いの場だ。環境フェアや夏の花火大会の会場となる。普段も釣りや散策など各々楽しんでいる。
ここから先は1704年に付け替えられた人工河川だ。堤防上にはその功績者である中甚兵衛の像がある。高台から眺めると川筋が左に曲流していることがわかる。
春に個人の奉仕でアユの稚魚が放流されている。アユが泳ぐ清流が求められる。
(菜の花畑)
河内橋下流 1998.4
河内橋と大正橋の間の河川敷には4月になると菜の花畑が広がる。モンシロチョウが飛び交い、子供が佇んでいると、童謡が聞こえてきそうだ。残念ながら2003年は工事のため見られなかった。
(川辺八幡神社の秋祭り)
平野区川辺 2000.9.14
毎年9月14日、川辺八幡神社の秋祭りの宵宮では、神輿が大和川に入ってみそぎの神事が行われる。
対岸の松原市大堀に阪神高速が開通して以来、この付近は明治橋が付け替えられて変貌が著しい。
(松原市消防出初式)
大和川西青少年運動広場 2006.1.8
毎年、1月初旬の日曜日に大和川西青少年運動広場で松原市の消防局の出初式が行われる。そのメーンイベントは江戸時代の町火消しのような「はしご乗り演技」と、色水一斉放水だ。十数の放水口から上空に放水されると、赤、青、黄と次々と色彩やかに変化していく。
(行基大橋と今池遺跡)
阿麻美許曽神社 松原市今池遺跡 1998.3
東住吉区矢田地区には行基ゆかりの史跡が多い。その一つが阿麻美許曽神社に残る墓標だ。それに因んで昭和53年に行基大橋が架けられた。
その少し下流の左岸河川敷に今池遺跡があった。鎌倉時代の屋敷跡や「難波大道」の溝が発掘された。今は雑草の生える河川敷になっている。
(大依羅神社)
龍大神 2003.4.3
右岸から少し下ったところに大依羅神社がある。境内には地名の由来にもなった「庭井の址」の碑が立っている。また水神の龍大神を祀った小さな祠がある。そこには雨乞いの井戸があったそうだ。
この付近にあった依羅池は付け替えで大半が川床になって以来、次第に埋め立てられ今は碑が残るだけだ。
(堺市浅香山浄水場のツツジの通り抜け)
浅香山浄水場 1998.5.4
毎年4月末になると、堺市の浅香山浄水場でツツジの通り抜けがある。ここは大和川から取水した浄水場だった。しかし水質の悪化と水量の乏しさで、昭和53年浄水機能は停止された。場内から見下ろせる大和川を眺めながら、復活を願った。
(住吉祭の「神輿受渡し式神事」と堺大魚夜市)
住吉祭(7月30日〜8月1日)に先がけて南港ATCオズ前の岸壁で、住吉大社から堺宿院頓宮に渡御する神輿のお払いをする「神輿洗(みこしあらい)神事」が行われる。
夕方になって「神輿洗神事」ののぼりを掲げた大阪住吉漁協の20隻足らずの船舶が内湾を曳航し始めた。神事は午後6時から始まった。まず汐汲船で沖合から汲まれてきた海水を入れた塩汲み桶の水で神輿がお払いされた。そして会場の安全祈願などの神事が続いた。神楽の舞や住吉踊りも奉納された。
その昔、社前の「長峡(ながお)の浦」で行われていた。「住吉の御湯(おゆ)」といわれ万病に効験あり、と庶民がその日の海水に浴したそうだ。今は、海岸線ははるか遠くなり、海水は垂れ流しの下水が流れ込んでいるからだろうか、俗に言う「うんこ色」だった。とても浴せるものではない。
神輿洗い神事 2004.7.19 神輿受渡し式神事 2004.8.1
毎年8月1日、住吉大社を出発した神輿が堺の宿院にある頓宮へ向かう。大和川の付け替え後、紀州街道に架けられた大和橋の上で住吉から堺の町衆へ神輿を受渡す「神輿受渡し式の神事」が行われる。船形の山車(台車)に乗せられた神輿や獅子舞などの渡御もあって賑やかだ。2006年には人の手で神輿を担いで大和川を渡る「お渡り」が46年ぶりに復活した。川の中央部に設けられた祭壇の周辺を勇壮に練り歩いた。
航海の安全を祈願して堺の漁師が住吉大社に魚を奉納し、その後住吉大社の神輿を堺にお迎えして「市」を開催したのが「堺大魚夜市」の始まりとされている。付け替え以来1960年頃に中断されるまで、人の手で神輿が大和川を渡っていた。大和川付け替え300周年を記念して、約45年ぶりにその「大和川のお渡り」が復活した。長さ9m、800kgの神輿が川中で住吉から堺の担ぎ手へ引き渡され、水を掛け合って祝した。
大和川のお渡り 2004.7.31 堺大魚夜市
午後7時から堺の浜寺公園で「堺大魚夜市」が始まった。市内の団体から参加した外国人、女性、子供らが壇上で魚介類を抱えて大きな声で売った。
(住吉の高灯篭)
高灯篭 2000.3
国道26号線沿いに高さ21mの高灯篭がある。かつてはこの辺りが海岸線でこれが船舶の目印となっていた。いわば日本最古の最大の灯台だった。住吉は「清江(すみのえ)」といわれ白砂青松の海岸だった。その海岸線も今は遠くなり、1974年に移設復元された高灯篭は、ビルの谷間に佇んでいる。
(シラスウナギ漁と河口)
阪堺大橋から下流の汽水域でボラの群れを見かけた。
河口では春の訪れとともに、海から遡上してくるシラスウナギの漁が始まる。漁師は様々に工夫しながら灯りを照らして川面を見つめている。
ボラの群れ 1996.1.21 シラスウナギ漁 2004.4.9 チチブ 2004.4.18
自然観察会(2004.4.18)で調べたところ、マハゼ(約3cm)の稚魚やチチブ(約10cm)が汽水域で見つかった。
(時と流れとともに)
大浜公園にある旧堺灯台は明治10年に築造され、昭和43年に廃灯された。付け替え以来、土砂の滞砂や埋め立てで海岸線はどんどん遠くなっていった。ゴミの焼却場の煙突がそびえ立つこの河口も時と川の流れとともに変貌していく。
旧堺灯台 1998.5.17 河口 2001.4.26