布留川
(一本木の御田)
神社へ向かう一行 農耕所作をする子供 2005.5.3
祭事の舞台となるのは大和神社の南側にある素盞嗚神社だ。天理市新泉(にいずみ)町の小字「一本木」から現在地へ遷座されてきたという。
ワラで作られた牛、馬、ムカデと竹で作られた農具の模型を抱えた総勢10人ほどの一行が頭屋から素盞嗚神社へと向かった。途中、辻ごとに竹筒を立てて神酒が注がれた。小さな境内の神前に作られた60×30pの長方形の盛り砂が「田」に見立てられている。町内の三人の男児が角のある「牛」の手綱を引いて、「田」に鍬入れと鋤き込みの所作をそれぞれ三回行った。そして「馬」の手綱を引いて境内を三周駆け回った。
五穀豊穣と子供の成長を祈願した祭事で無形民俗文化財に指定されている。もともと5月5日に行われていたそうだが、子供も少なくなって様変わりしているそうだ。直径1mほどの円形の盛り砂が作られているが、かつて相撲を取っていた土俵の名残だという。この後、頭屋で古式に則った料理を食べるという。何とか伝統を守ろうとの苦心が感じられる。
(大和神社の御田植祭)
大和神社の御田植祭 1999.2
(大和神社の紅幣踊り)
紅幣踊り 2003.9.23
毎年9月23日、天理市の大和(おおやまと)神社で「紅幣(しで)踊り」が行われる。江戸時代に始まり、雨乞いが満願した時に踊った。その踊りが昭和43年に復活した。
(石上神宮の神剣渡御祭(でんでん祭)の御田植神事)
御田植神事 2004.6.30
布留川の南方に日本最古の神社の一つである石上(いそのかみ)神宮がある。毎年6月30日、神剣渡御祭(でんでん祭)が行われる。拝殿前の神事の後、太鼓を「でんでん」と鳴らしながら、摂社神田(こうだ)神社への渡御が始まった。御田植神事はその境内に設けられた縦横5m、8mの神田で行われる。
田男によるくわ入れ、牛による田起こし、畦作りとその横と上を整える、「大豆」を植える穴づくりと豆まき、灰を掛ける、牛による田植え前のならしと、一連の農作業の所作をしながら神田を時計回りに一周回った。そして早苗が神田に配られ、3人の早乙女による田植えが行われた。