<大和川駅から堺・環濠跡を巡る>
大阪で唯一残った路面電車の駅が左岸堤防上にある。
廃線の話もあるが、旅情ある大和川の風景として残ってほしいものだ。
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○千日井(堺市堺区七道西町)
土居川を埋め立ててできた道路の歩道にある。
民衆の病を治すために行基が掘ったといわれている。
住民は花を供えて行基菩薩像を見守っている。
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○田守神社
堤防下にあったこんもりとした鎮守の森(写真)は高速道路用地となった。
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○旧堺港
中世には南蛮貿易で栄えた。
親水空間として整備され、北側には明治36年の第5回内国勧業博覧会で展示された「龍女神像」(写真)が復元された。
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○旧堺灯台
高さ11.3mの六角形で日本最古の木製の洋式灯台だった。
明治10年に築造され、昭和43年に廃灯された。
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○出島漁港
一部はヨットハーバーとなり、時代の変遷が感じられる。
毎週土日は「とれとれ市」で賑わう。
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○土居川・鷺橋
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○千利休屋敷跡(堺市堺区宿院町西1)
ビルの狭間に残った屋敷跡に、
千利休が茶の湯に常用したといわれる「椿井」がある。
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○海会寺金龍井(堺市堺区甲斐町東2)
開口(あぐち)神社の鳥居脇にある。
干ばつで龍神に祈祷すると化身した老人が井戸の掘る場所を教えた、という伝説がある。
古来より豆腐や茶の湯に用いられた名水とされた。
残念ながら龍の口から流れる水はもう飲めない。
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○旧向泉寺閼伽井跡(堺市堺区榎元町5)
竹内街道の近くの街角にある。
かつては行基が創建した向泉寺があった。
行基が掘り当てたといわれる井戸は閼伽水とされ、諸病を平癒したといわれている。
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○旧天王貯水池(堺市堺区中三国ヶ丘町3)
1910(明治43)年に建築されてから1964(昭和39)年まで、堺市民に飲料水を提供した。
レンガづくりの「凱旋門」風の建造物は文化庁の登録有形文化財だ。
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○土居川公園・「極楽橋」(堺市堺区宿屋町東3)
土居川を埋め立ててできた公園の一角に、
石橋そのままの姿の「極楽橋」が残っている。
傍らには「農人町井」(昭和33年3月と刻印)といわれる
ポンプ式の井戸は飲めない。
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○内川・内川橋
せせらぎと緑道のある親水空間だ。
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○ザビエル公園
毎年恒例となった「内川・土居川まつり」のメーン開場だ。
(ポイント)
荒れ果てた環濠跡は導水事業や修景整備事業で水質も景観も良くなった。
その中で所々の橋の袂に佇む昔の親柱が、唯一懐かしさを残している。
政令指定都市となった今後の堺が期待されている。
スーパー堤防化、高速道路、湾岸の開発など大和川周辺の景観は、今後大きく変貌した。
その前に目に焼き付けておいてはどうだろうか。
主要駅前にあるレンタサイクルで、新日鉄堺工場跡の一角にできた「堺浜シーサイドステージ」や
百舌鳥古墳群を巡るのもいい。